そもそも3連単フォーメーションとは?
3連単は、軸1頭(1着)ながしが基本的な購入方法です。**「この馬が勝つ!」**と信じられる馬を1着に固定し、その相手(2~3着候補)を数頭ピックアップして、1着-2着-3着の組み合わせを購入します。
3連単 軸1頭ながし
軸馬(1着):5番 相手(2着・3着):3番・7番・10番・14番
- 5→3→7
- 5→7→3
- 5→10→3
- 5→14→3
- 5→3→10
- 5→7→10
- 5→10→7
- 5→14→7
- 5→3→14
- 5→7→14
- 5→10→14
- 5→14→10
計12点となる
この場合、2着と3着の部分には同じ顔ぶれが並ぶことになります。これに対し、2着候補を絞り込んだり、2着候補・3着候補を別々に指定して購入するのが、フォーメーションという方法です。
3連単 フォーメーション
1着:5番
2着:10番・14番
3着:3番・7番・10番・14番
- 5→10→3
- 5→14→3
- 5→10→7
- 5→14→7
- 5→10→14
- 5→14→10
計6点となる
軸馬5番の相手として選んだ馬は3番、7番、10番、14番の4頭ですが、「より有力なのは10番と14番。3番と7番は、せいぜい3着まで。2着に来るのは厳しいだろう」という予想を形にした買い方です。
3連単フォーメーションのメリットとデメリット
ながし馬券ではなく、わざわざフォーメーションで購入する意味やメリットは確かにあります。いっぽう、ながし馬券では得られるメリットがフォーメーションでは得られない、という事実も存在します。そのあたりを理解したうえで、フォーメーションにチャレンジすることが重要です。
3連単フォーメーションのメリット
ながし馬券に比べて購入点数を抑えられるのが最大のメリットです。前述のように、軸馬(1着)が1頭、相手(2着・3着候補)が4頭の場合、ながし馬券の組合せ総数は12点となりますが、2着候補を半分の2頭に絞ると、組合せ総数は6点に収まります。
「3番と7番が2着に来るのは厳しいだろう」と予想した場合、その3番・7番を2着に置く組合せを省略することで、確率の低い組合せを買わずに済ませ、購入資金を節約できるわけです。
さらに、5番の馬を1着に固定し、相手(2着・3着候補)が3番・7番・10番・14番の4頭の場合、ながし馬券の組合せ総数は12点。馬券に含まれる馬は計5頭です。
しかし、1着に5番、2着に10番と14番だけ、3着に1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番の7頭というフォーメーションの場合、組合せ総数は同じく12点ですが、馬券に含まれる馬は計8頭。フォーメーションは、同じ組合せ総数でも、ながし馬券より幅広い馬をカバーできる、というメリットがあります。
3連単フォーメーションのデメリット
上述のような買い方をした場合、もしも「2着に来るのは厳しいだろう」と予想した3番や7番が2着に入った場合は不的中となります。例えば、1着5番-2着3番-3着10番で決着した場合、「相手として選んだ馬の顔ぶれは正解」ですが、「その組合せは買っていない」ことになります。
そのため、2着候補・3着候補の絞り込みは慎重に行う必要があり、ながし馬券よりも難易度の高い買い方と言えるでしょう。
どんなときに3連単フォーメーションを購入するのがおすすめ?
3連単ながし馬券ではなく、3連単フォーメーションで購入するべきレースとしては、次のようなケースが考えられます。
まず、力関係がハッキリしているレースです。例えば、実力断然の存在が1頭、それに次ぐ有力馬が2頭、そしてそれ以下は混戦という状況では、ながし馬券ではなくフォーメーションで馬券を組み立てることを検討したいところです。
3連単 フォーメーションの例 その1
1着:5番(実力断然)
2着:10番・14番(かなり有力)
3着:1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番
- 5→10→1
- 5→14→1
- 5→10→3
- 5→14→3
- 5→10→7
- 5→14→7
- 5→10→8
- 5→14→8
- 5→10→11
- 5→14→10
- 5→10→14
- 5→14→11
12点
この例の場合、もし1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番すべてを相手(2着候補・3着候補)にしたながし馬券を購入すると、組合せ総数は42点にもなってしまいます。このような場合、フォーメーションを使う方が効率的であると言えます。
また、通常ながし馬券やフォーメーションでは最も強いと思える馬1頭を1着に固定することが多いですが、複数の馬を1着に割り当てることも可能です。たとえば「5番と10番の一騎打ち」「割って入るとすれば14番か」というレースでは、フォーメーションを有効活用して、以下のように馬券を組み立てることが考えられます。
3連単 フォーメーションの例 その2
1着:5番・10番
2着:5番・10番・14番
3着:5番・9番・10番・14番
- 5→10→9
- 10→5→9
- 5→10→14
- 10→5→14
- 5→14→9
- 10→14→5
- 5→14→10
- 10→14→9
8点
フォーメーションで買い目点数を抑えよう
1着~3着に入る馬を、順番まで正確に予想しなければならない3連単は、難易度の高い馬券です。16頭立てのレースの場合、単勝は16通り、馬連の組合せは全120通り、3連複は全560通りであるのに対し、3連単は3360通りにもなります。単純に確率を考えると、的中させることは難しいかもしれません。
しかし、100点、200点と買っていては購入資金が尽きてしまいます。そのため、組合せ総数を減らせる=購入資金を節約できる方法として、フォーメーションを有効活用することが重要です。
初心者は出走馬の少ないレースからはじめてみよう
3連単は「勝つ馬はどれか」「2着・3着になる可能性を持つ馬はどれか」という予想がベースとなる馬券です。特にフォーメーションは、ながし馬券と比べて主として2着候補を絞り込む買い方といえるため、予想の正確さがより重要になります。
出走頭数が多く、実力比較が難しいレースでは、あれもこれもと馬券に組み込みたくなり、せっかく**「組合せ総数を減らせる=購入資金を節約できる」**というフォーメーションのメリットを十分に生かせないかもしれません。まずは少頭数のレースから始めてみることをおすすめします。
3連単フォーメーションの点数計算方法について
3連単を購入する場合、大切なのは「組合せ総数(何点買うことになるのか)」を把握することです。馬連や3連複などと比べて組合せ総数が多くなる3連単では、1着・2着・3着候補にあれもこれもと選びすぎると、瞬く間に購入点数が増えてしまうため、注意が必要です。
原則として、3連単の組合せ総数は以下の式で計算できます。
組合せ総数=1着候補数×2着候補数×3着候補数
1着に指定した馬、2着に指定した馬、3着に指定した馬が重複していない場合は、この計算式で単純に組合せ総数を求めることが可能です。
ただし、3連単では、例えば軸1頭ながしのように、2着・3着に同じ馬を指定して購入することが多くなります。この場合、重複した分を除いて組合せ総数を計算しなければなりません。
3連単 軸1頭ながし(1着1頭)
軸馬(1着) :5番
相手(2着・3着):3番・7番・10番・14番
1着:1頭
2着:4頭
3着:4頭-2着になる1頭=3頭
1×4×3=12点
3連単フォーメーションでも同様に、1着指定馬、2着指定馬、3着指定馬の重複を考慮して組合せ総数を計算することになります。
重複分を減算するための計算式もありますが、やや複雑です。レース前の限られた時間で、1着指定馬と2着指定馬の重複、2着指定馬と3着指定馬の重複、さらに1着~3着すべて指定した馬の重複を数えながら組合せ総数を計算するのは現実的ではありません。
そこで利用したいのが、JRAホームページに用意されている「フォーメーション組み合わせ数計算」機能。1着候補、2着候補、3着候補として指定したい馬番にチェックを入れることで、総組合せ数が自動計算されます。パソコンやスマートフォンのユーザーには、このページを利用するのが便利かつ確実です。
また、3連単フォーメーションを自分の馬券スタイルとして恒常的に活用したい場合は、あらかじめ「これが自分のパターン」を決めておくことをおすすめします。
3連単フォーメーション パターン例
◆実力断然の馬から買うパターン
1着:1頭
2着:2頭(1着指定馬は入れない)
3着:6頭(2着指定馬の2頭も入れる) 組合せ総数10点
◆勝ち馬候補が2頭いる一騎打ちパターン
1着:2頭
2着:2頭(1着指定馬と同じ2頭)
3着:5頭(1~2着指定馬は入れない) 組合せ総数10点
◆有力馬3頭・そのうち2頭を勝ち馬候補とするパターン
1着:2頭
2着:3頭(1着指定馬2頭+1頭)
3着:7頭(1~2着指定馬の3頭も入れる) 組合せ総数20点
◆有力馬4頭・そのうち2頭を勝ち馬候補とするパターン
1着:2頭
2着:4頭(1着指定馬2頭+2頭)
3着:7頭(1~2着指定馬の4頭も入れる) 組合せ総数30点
◆有力馬5頭・そのうち3頭を勝ち馬候補とするパターン
1着:3頭
2着:5頭(1着指定馬3頭+2頭)
3着:7頭(1~2着指定馬の5頭も入れる) 組合せ総数60点
この章のまとめ
競馬では予想の正確さが何よりも大切です。特に、1~3着までに入る馬を順番通りに指定しなければならない3連単では、複数の馬の実力を冷静に比較し、「絶対に勝てる馬」や「必ず3着以内に入る馬」を見つけ出すことが的中への大前提となります。
中でもフォーメーションは、なるべく購入資金を抑えるために、主として2着候補を絞り込む効率的な買い方です。予想の精度が的中・不的中を左右するため、より慎重で正確な予想が求められます。
また、フォーメーションはながし馬券と同じ資金(組合せ総数)で、ながし馬券より多くの馬(主として3着指定馬)を馬券に組み込める可能性があります。データをもとに思わぬ穴馬を見つけ出し、3連単フォーメーションに組み込むのも面白いでしょう。
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