三連単は、的中時に大幅なリターンが得られるため、多くの人から支持を集める人気の馬券です。しかしその反面、高配当に見合うだけの低的中率であり、簡単に当てられるものではありません。
それでも、多くの人が三連単を的中させるために様々な戦略を駆使しており、その中の一つが【三連単フォーメーション】です。
この三連単フォーメーションは、正しく使えば馬券予想に非常に役立つ方法ですが、【ボックス】や【ながし】と比較すると複雑で難しい買い方とされています。
そこで本記事では、三連単フォーメーションとは何かを解説し、そのメリット・デメリット、買い方、そして購入するタイミングについてわかりやすく紹介します。
- 三連単フォーメーションの解説
- 三連単フォーメーションのメリットとデメリット
- 初心者向けの三連単フォーメーションの買い方
- 三連単フォーメーションに適したレース選択
そもそも三連単フォーメーションとは?わかりやすく解説
三連単フォーメーションとはどのような買い方なのか、特に競馬初心者の方には分かりにくいと感じる方も多いかもしれません。
そこで本章では、まず三連単フォーメーションがどのような券種なのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
着順(頭数)ごとに自由に買い目を選択できる買い方
三連単フォーメーションは、着順ごとに自由に買い目を選択できる買い方です。
【ボックス】は選んだ馬番号のすべての組み合わせを購入する方法で、無駄な組み合わせまで含まれてしまいます。一方、フォーメーションは着順ごとに指定するため、不要な組み合わせをカットできます。
また、【流し】は軸馬を1頭選び、その相手として複数の馬を選択する方法ですが、フォーメーションは軸馬を2頭以上選択可能です。さらに、2〜3着に異なる馬を設定することもでき、より柔軟な買い方が可能です。
つまり、フォーメーション馬券は、ボックスより無駄を省きつつ、流しよりも幅広く購入できる、ハイブリッドな買い方といえるでしょう。
三連単フォーメーションは赤のマークシートで購入可能
三連単のフォーメーションを実際に購入する際は【赤のマークシート】を使用します。
競馬場や場外馬券売り場には大きく分けて以下4つのマークシートが設置されています。
- 緑のマークシート
- 赤のマークシート
- 青のマークシート
- ライトカード
緑のマークシートは、1点ずつ買い目と金額を選択するオーソドックスなシートです。一方、ライトカードはその視認性を高めたもので、視力の悪い方に向けた緑のマークシートと言えます。
また、青のマークシートは流しとマルチ専用、赤のマークシートはボックスとフォーメーション専用のシートです。赤のマークシートには、表と裏でそれぞれボックスとフォーメーションの印字がされていますが、1枚のマークシートではどちらかしか購入できません。
シート内には、フォーメーションのイメージや注意事項も記載されているため、買い慣れていない時は参考にするとよいでしょう。
【最強】三連単フォーメーションの点数計算方法をわかりやすく解説
三連単フォーメーションの点数計算方法は、以下の数式で求めることができます。
1着の頭数 × 2着の頭数 × 3着の頭数
例えば、1着にAという馬を1頭、2着にB、C、Dという馬を3頭、そして、3着にE、F、G、H、Iの5頭を選んだ場合は、1 × 3 × 5 = 15通りの組み合わせとなります。
この計算式は非常にシンプルでわかりやすいですが、馬が重複していないことが条件です。例えば、2着と3着に同じ馬が1頭でも含まれている場合、この計算式は使えません。重複した馬がいた場合は、重複分を除いて計算しなければならず、計算はかなり複雑になります。
馬券投票締め切り間際にこの計算を行うのは現実的ではないため、多くの競馬ファンは自動計算ツールを利用しています。公式、非公式問わず、ネット上にはいくつも計算ツールが公開されていますが、最もベーシックなのはJRAの公式サイトで提供されている「フォーメーション組み合わせ数計算」です。
このツールでは、買いたい馬番を着順ごとにチェックするだけで、瞬時に組み合わせ数が表示されるため非常に便利です。頻繁に三連単フォーメーションを購入する方は、ぜひブックマークしておくことをおすすめします。
三連単フォーメーションの3つのメリットをわかりやすく解説
三連単フォーメーションはプロの予想家も愛用している買い方で、回収率の向上に大きく役立ちます。
プロも積極的に利用する買い方なので、フォーメーションには相応のメリットも存在しています。
本章では三連単フォーメーションのメリットを3つ解説します。
自由度の高さが最大の特徴
三連単フォーメーションの最大の強みは、自由度の高さです。
フォーメーションでは、着順ごとに好きな数だけ馬を設定できるため、非常に柔軟に買い目を選択できます。これにより、同じく多点買いで有名な【ボックス】や【流し】と比較しても、細かく買い目を設定できるという点が、フォーメーションの大きなメリットと言えるでしょう。
ボックス・流しよりも買い目を抑えられる
三連単フォーメーションは、同じ多点買いのボックスや流しと比較して、買い目を抑えることができるという大きな特徴があります。
【ボックス】は選択した馬番号すべてを購入する方法で、余計な組み合わせを気にせずに予想できるため、予想時間を短縮できるというメリットがあります。しかし、来ない可能性が高い組み合わせも選んでしまうため、買い目が大幅に増えます。例えば、三連単ボックスで5頭の馬を選んだ場合、60点となり、1点100円で購入すると6,000円の投資が必要です。
一方、フォーメーションでは、明らかに来ない組み合わせは排除できるため、ボックスよりも格段に買い目を抑えることができます。
【流し】は軸馬1頭と相手馬を複数選択して購入する方法で、軸馬が馬券に絡まなければ絶対に外れとなります。フォーメーションは、着順ごとに馬を選択する点で流しに似ていますが、軸馬を2頭以上選択できるため、柔軟性があります。また、相手馬(2〜3着)の数を調整できる点も大きな利点です。例えば、流しで軸1頭、相手4頭を選ぶと12通りになりますが、2着を2頭に絞ることで、組み合わせ数は6点に抑えられます。
このように、フォーメーションは流しよりも購入点数を抑えやすく、買い目を絞るという点では、ボックスや流しより優れた買い方と言えるでしょう。
多くのレースで使える
三連単フォーメーションは、多くのレースで活用できる買い方です。
競馬のレースでは、全頭同じコースで、なおかつ全く同じ馬がレースすることはありません。そのため、レースごとに特徴は異なり、固い決着になることもあれば、穴馬が来て大荒れすることもあります。
【ボックス買い】は、実力が拮抗しているレースではその真価を発揮しますが、1頭だけ能力が抜けているようなレース、例えば単勝オッズ1倍台に支持されるレースでは、購入点数が増え、トリガミになるリスクがあります。
【流し】はボックスの逆で、抜けた1番人気がいるレースでは軸馬を選択しやすいですが、実力が拮抗しているレースでは、軸馬の選定が難しくなります。
しかし、フォーメーションは、ボックスのように無駄な買い目を省くことができ、流しのように1頭ではなく複数頭の馬を軸に選択できます。これにより、固いレースでも荒れやすいレースでも、三連単フォーメーションは非常に有効な買い方と言えます。
三連単フォーメーションの3つのデメリットをわかりやすく解説
三連単フォーメーションは、着順ごとに細かく買い目を設定できるため、購入点数を抑えつつ、当たった際には大幅な回収率向上が期待できます。
しかし、完全無欠というわけではなく、デメリットも存在します。これから、三連単フォーメーションのデメリットについて、わかりやすく解説します。
予想に時間がかかる
三連単フォーメーションの最大のデメリットは、予想に時間がかかることです。
【ボックス買い】は、細かい買い目を気にせずに選んだ馬をまとめて購入できるため、予想時間は短縮されます。選んだ馬をチェックするだけで、すべての組み合わせを一括で購入できるため、予想にかかる時間を大幅に省けます。
【流し】も、軸馬と相手馬を選んだ後は、まとめて購入できるため、予想が簡単で時間もかかりません。
一方で、フォーメーションは、着順ごとに自由に買い目を設定する必要があるため、どの馬を選べばよいかの予想に時間がかかります。さらに、組み合わせによっては購入点数の計算にも時間がかかるため、ボックスや流しよりも余裕を持って予想を進めることが難しくなる場合があります。
ボックスや流しよりも的中率は低くなる
三連単フォーメーションは、ボックスや流しよりも的中率が低くなる傾向があります。
その理由は、着順ごとに買い目を選択するため、必要な買い目のみを購入し、無駄な買い目を省くからです。これにより、ボックスのように幅広く購入せず、流しよりも点数を絞ることができるため、単純な的中率は低くなりやすいです。
ただし、購入点数を抑えるということは、無駄な買い目を省くことに繋がり、最低限の投資資金で競馬予想ができるというメリットにもなります。
購入点数を求めるのが複雑
三連単フォーメーションは、購入点数を求めるのが複雑です。
当記事で解説したように、三連単フォーメーションでは、着順ごとに同一の馬が重複してしまうと、組み合わせを求めるのが急に難しくなります。このため、多くの競馬ファンはJRAの公式サイトにある【フォーメーション組み合わせ数計算】などの計算ツールを活用し、組み合わせを求めています。
計算ツールを使うことで点数を求める作業は大幅に簡便になりましたが、それでも暗算で求められるボックスや流しと比べると、サイトを活用する手間が発生し、購入点数を求めるのがやや面倒だと言えます。
初心者におすすめしたい三連単フォーメーションの買い方3選
三連単フォーメーションは、自由度の高い買い方なので、競馬初心者にはどのように購入すればいいのか分からない場合があります。さらに、むやみに選んでしまうと購入点数が増えてしまい、予算が膨らむ原因にもなります。
そこで、本章では初心者向けに、リーズナブルでなおかつおすすめしたい買い方を3つ紹介します。
軸馬固定の【1-3-6】
最初に紹介する買い方は、**【1-3-6】**という買い方です。
この方法では、軸となる馬を1着に1頭、2着に3頭、3着に6頭選択します。特に、明らかに勝つと思われる馬が見つかった際に効果を発揮します。例えば、単勝1倍台の馬がいるレースなど、明確に勝ち馬が予測できる場合に有効です。
人気の馬を1着固定にし、残りの馬を複数頭選択することで、的中率を高めることができます。
【1-3-6】の購入点数は、2〜3着に3頭重複していた場合は15点、重複がなければ18点で抑えることができます。
全ての着順(頭数)ごとに2頭以上選択した【2-2-5】
ふたつめに紹介する買い方は、【2-2-5】です。この方法は、全ての着順ごとに2頭以上の馬を選択する買い方です。
【2-2-5】が活きる場面は、出走馬の中で2頭強い馬がいる場合です。例えば、1996年の阪神大賞典では、ナリタブライアンとマヤノトップガンの2強が形成されていました。この2頭は明らかに能力が抜けていましたが、どちらが勝つか予測するのが難しく、競馬ファンにとっても読みづらいレースでした。
こういったレースにおいて**【2-2-5】**は真価を発揮します。2の部分に2強を設定することで、どちらが勝っても的中につなげやすくなります。
余談ですが、この阪神大賞典では、ナリタブライアンがマヤノトップガンをアタマ差でしのぎ優勝しました。僅差だったので、どちらが勝ってもおかしくないレースでした。
インスタントジョンソンじゃいも使う【1-1-3,1-3-1】
少しトリッキーな買い方として、**【1-1-3, 1-3-1】**という方法も面白いです。
この買い方を考案したのは、お笑い芸人のインスタントジョンソンの**「じゃい」**さんです。じゃいさんは芸人屈指のギャンブラーとして知られており、これまで数多くの高配当を的中させて競馬ファンを驚かせてきました。
【1-1-3, 1-3-1】では、本命馬を1着固定にし、対抗馬を2〜3着に設定します。そのうえで、相手馬3頭も2〜3着に選択するという買い方です。この方法は、少し変則的なアプローチで、的中する確率が高いレースで使うと効果的です。
【1-1-3,1-3-1】の例
本命:A対抗:B相手:C,D,E
1着:A2着:B3着:C,D,E
1着:A2着:C,D,E3着:B
**【1-1-3, 1-3-1】**の買い方は、2着と3着の組み合わせを逆にして抑えることで、マルチに似た買い方ができます。
一見、組み合わせ数が多くなりそうに思えますが、本命馬を1着固定にすることで、トータルで購入点数を6点に絞ることが可能です。このように、最小限の買い目で、対抗馬が2着または3着に入った場合でも抑えられるため、投資資金が少ない人にとって非常に有効な方法です。
ただし、**【1-1-3, 1-3-1】**では本命馬が1着に入らなければ馬券は外れてしまうため、勝つ可能性が高い馬が予想しやすいレースに適しています。逆に言えば、本命馬の勝利が確実視できるレースでは、非常に効率的な買い方になると言えます。
三連単フォーメーションに適したレースの選び方5選
三連単フォーメーションはボックスや流しよりも自由度が高いため、比較的どのようなレースでも使い勝手はよいです。
しかしながら、馬券を的中させるうえでは適したレースがあるのも事実です。
ここからは、三連単フォーメーションに適したレースの選び方を3つ紹介します。
1着の馬が予想しやすいレース
三連単フォーメーションに適したレースのひとつは、1着が予想しやすいレースです。
三連単は組み合わせ数が多いため、点数が増えるとその分投資資金も必要になります。しかし、1着を予想しやすいレースでは1着の馬を1頭に絞ることができ、これによって購入点数を抑えることができます。投資資金も抑えられ、より効率的に馬券を購入することができます。
強い馬は、通常、単勝オッズで確認することができます。例えば、1番人気の馬のオッズが他の馬と大きく違う場合、その馬が勝つ可能性が高いと言えるでしょう。逆に、1番人気のオッズが他の馬とあまり差がない場合は、どの馬が勝つか予想しにくいレースです。
2~3着に来る馬が予想しやすいレース
高確率で2〜3着に来る馬が予想できるレースも、三連単フォーメーションに適しています。
競馬では基本的に1着を予想することが重視され、1着を1頭で固定するのが最も予想しやすい方法です。しかし、もし2〜3着に確実に来る馬が予想できるのであれば、その馬を2〜3着の1頭固定にするのも一つの手です。
なぜなら、1着固定でも2〜3着固定でも、購入点数に差がないからです。例えば、【1-3-6】のフォーメーションは18点ですが、【3-1-6】や【6-3-1】も同じく18点になります。点数の計算は掛け算方式で行われるため、着順が変わっても影響はありません。
競馬の歴史を振り返ると、1着に来る馬が注目されがちですが、2〜3着に安定して入る馬も少なくありません。例えば、ステイゴールドやナイスネイチャ、ロイスアンドロイス、最近ではサウンズオブアース、エタリオウ、カレンブーケドールなどが挙げられます。
一流馬ほどG1や重賞を多く手にしていなくても、コンスタントに2〜3着に絡む馬は三連単フォーメーションと相性が良いです。このような「シルバー&ブロンズコレクター」は、重賞だけでなく未勝利戦やクラス戦でも見かけることが多いため、競馬新聞や出馬表をチェックして探してみるのも一つの方法です。
少頭数レース
三連単フォーメーションで的中率を高めるためには、少頭数レースを狙うのも効果的です。
競馬では、1日に行われるレース数は多いですが、各レースの出走頭数は異なります。最大18頭立てのレースもあれば、少頭数で行われるレースも珍しくありません。
そして、三連単に限らず、すべての券種の組み合わせ数は出走馬の数によって決まります。例えば、18頭立てのレースでは三連単の組み合わせ数は4,896通りになりますが、9頭立てのレースでは504通りにまで減少します。出走数が半分になると、組み合わせ数が約1/9にまで減少します。
組み合わせ数が少ない方が1点当たりの的中率は高くなります。多頭数レースに比べて配当の妙味は少なくなる可能性がありますが、競馬で儲けるためには的中が最も重要であり、少頭数レースでも三連単は当たった際の配当妙味を期待できるため、収支向上に繋がります。
特に競馬に慣れていないうちは、少頭数レースで的中を狙うことが効果的です。
三連単フォーメーションをわかりやすく解説:まとめ
三連単フォーメーションは、自由度が高く、ボックスや流しと比較しても購入点数を抑えやすいため、回収率を向上させる可能性があります。しかし、その分予想に時間がかかり、購入点数の計算も簡単ではありません。ただし、現在では計算ツールが豊富に提供されているため、初心者でも以前よりは手軽に購入することができるようになっています。
プロの競馬ファンも積極的に三連単フォーメーションを活用しており、特に強い馬がいるレースや少頭数レースでの購入が効果的です。
この記事が少しでも多くの方に役立ち、三連単フォーメーションの魅力を感じていただければ幸いです。