競馬で高配当を得るために欠かせないのが【オッズ】です。オッズは、払い戻しを得る際に必ず確認しておきたい重要な要素です。予想が何度も当たってもオッズが低ければ利益は少なくなりますが、逆に滅多に当たらなくても一度の的中で高オッズを得れば、これまでの損失を取り戻すチャンスもあります。
競馬において、オッズは非常に重要な役割を果たします。
しかし、オッズについて十分に理解していない方も多いかもしれません。そこで本記事では、競馬のオッズに関する基本的な情報、オッズの確認方法、仕組み、計算方法などをわかりやすく解説します。
さらに、各券種ごとのオッズの平均値もまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
競馬のオッズとは?見方を解説
競馬を楽しむ上でオッズを知ることは非常に重要です。
競馬初心者の中には、オッズがどのようなものか詳しく理解していない方も多いかもしれません。そこでまずは、競馬におけるオッズとは何かについて簡単に紹介します。
オッズとは、的中した時の払い戻しの割合を数値化したもの
オッズとは、的中した際に得られる払い戻しの割合を数値で表したものです。これは競馬だけでなく、競艇や競輪、ボートレース、さらにはオンラインカジノなどの他の公営競技でも共通の定義となっています。どの競技においても、オッズは払い戻しの期待値を示しています。
競馬におけるオッズの具体例を挙げると、単勝2.0倍の馬に100円を賭けた場合、その馬が1着でゴールすると的中となり、払い戻しが発生します。この時の払い戻し額は、単勝オッズ2.0倍×100円で200円となります。
オッズは、馬券が的中した際の払い戻し額を簡単に算出するために役立つだけでなく、競馬で利益を得るための重要な指標としても活用できます。
オッズの数値が高いほど配当が高くなり、低いほど配当が安くなる
オッズの数値はレースや買い目の組み合わせによって異なりますが、基本的なことを紹介します。オッズの数値が高ければ高いほど、的中した際の払い戻し額は高くなり、逆に低ければ払い戻し額は安くなります。
例えば、単勝2.0倍の馬と100倍の馬がいるとします。それぞれの馬に100円ずつ賭けた場合、単勝2.0倍の馬が1着になった場合の払い戻し額は200円です。一方、単勝100倍の馬が勝利すると、払い戻しは1万円となり、単勝の万馬券を手にすることができます。
オッズの数字によって払い戻し額が大きく異なるため、配当妙味を狙って予想する「穴党」と呼ばれる競馬ファンも多く存在します。しかし、オッズが高い馬や組み合わせは、一般的に多くの競馬ファンにとって「勝つ確率が低い」と認識されており、実際に上位入選する確率はそれほど高くありません。
そのため、高配当狙いの馬券ばかり購入し続けるだけでは、安定して収支を上げるのは難しいことも理解しておくべきです。
競馬のオッズとは?:オッズを確認する2つの方法
競馬においてオッズは、収支を上げるために欠かせない重要な要素です。しかし、オッズをどこで確認すれば良いのか分からないという方も多いかもしれません。
そこで、ここでは競馬のオッズを確認する方法について、以下のようにまとめました。
- 競馬場や場外馬券売り場で確認する方法
- インターネットで確認する方法
オッズは競馬予想で欠かせないので、ぜひ覚えてください。
競馬場や場外馬券売り場では、専用のモニターでチェックできる
競馬場や場外馬券売り場では、券売機を利用して馬券を購入できますが、周囲に設置されたモニターにはリアルタイムで現在のオッズが表示されています。これにより、最新のオッズ情報を即座に確認できる点が便利です。ただし、オッズは券種ごとに画面が切り替わるため、気になる券種のオッズを迅速に確認するのは少し手間がかかります。
そのため、競馬場や場外馬券売り場でオッズを確認する人は少なく、ほとんどの人は次に紹介する競馬サイトやアプリを通じてオッズをチェックしています。
JRAの公式サイトやJRAと連携しているサイト・アプリでも確認可能
現在、競馬のオッズを確認する主流の方法は、スマートフォンを使って競馬サイトやアプリにアクセスすることです。
JRAの公式ホームページでは、全レースの出馬表が掲載され、レース当日にはオッズが約5分間隔で更新されます。また、大手競馬サイトのnetkeiba.comや競馬ラボもJRAの出馬表やオッズと提携しており、これらのサイトも最新のオッズを反映しています。
特に、netkeiba.comはスマートフォンアプリも提供しており、利用者が多いでしょう。一方、競馬ラボはアプリはありませんが、パソコン画面でのレイアウトが見やすく、使い勝手が良いと感じるユーザーもいます。
公式ホームページや大手競馬サイトでは、買いたい券種のオッズをすぐに調べることができるため、多くの人が利用しています。しかし、レース直前になるとアクセスが集中し、サイト全体が重くなることがあるため、余裕を持って利用することをおすすめします。
新聞に掲載されているオッズは当てにならない
競馬新聞にも出馬表が掲載されていますが、基本的に掲載されているオッズがそのまま決まることはほとんどありません。なぜなら、競馬新聞のオッズはレース前日までの情報をもとに掲載されているためです。
実際、競馬のオッズは馬券全体の支持割合によって決まり、馬券発売が締め切られるまで随時変動します。そのため、競馬新聞のオッズを完全に信頼するのは避けるべきです。
とはいえ、大まかな傾向は大きく変わることがないため、どの馬が人気を集めているかを把握するには有用です。競馬新聞のオッズを参考にしつつ、最新のオッズを確認して予想を立てるのが最良のアプローチといえるでしょう。
競馬のオッズとは?仕組みと計算方法
これまで競馬のオッズの意味や見方、確認方法について説明してきましたが、オッズの数値がどのように決定されているのか、仕組みに興味がある方も多いでしょう。
そこで、今回は競馬のオッズがどのような仕組みで数値化されるのか、またその計算方法について詳しくご紹介します。
オッズの計算方法
オッズの求め方は、次の数式を使って計算できます:
オッズ = 払い戻し率 ÷ 支持率
払い戻し率 = 100 – 控除率
この計算式を使うことで、オッズの数値を求めることができます。少し専門用語が多いので、ひとつずつ解説しましょう。
1. 控除率
控除率とは、競馬運営機関(JRAやNAR)が設定している手数料のことです。これは、馬券売り上げの一定割合が競馬場や運営側の手数料として差し引かれるという意味です。控除率は通常、券種によって異なり、一般的に20%から30%の間で設定されています。たとえば、単勝馬券の控除率は20%とされており、この場合、払い戻し率は80%となります。
2. 払い戻し率
払い戻し率は、控除率を差し引いた残りの割合です。例えば、控除率が20%の場合、払い戻し率は80%(100 – 20 = 80%)となり、これは賭けた金額の80%が最終的に払い戻しされることを意味します。
3. 支持率
支持率は、特定の馬券が全体の馬券売り上げに占める割合です。例えば、全体の単勝馬券の売り上げが5,000万円だった場合、その中である馬の単勝馬券が750万円分売れたとしたら、支持率は以下のように計算できます:
750 ÷ 5,000 × 100 = 15%
つまり、支持率が高い馬券ほど多くの人に選ばれた馬券となり、的中した場合のオッズは低くなります。逆に、支持率が低い馬券は、オッズが高くなる可能性があり、的中した時の払い戻しが大きくなることがあります。
まとめ
オッズは、払い戻し率と支持率によって決まります。支持率が高ければオッズが低くなり、支持率が低ければオッズは高くなるため、馬券の購入時にこれらを考慮することが重要です。
控除率は券種ごとに異なる
前の見出しで控除率は券種ごとに異なると記載しました。
中央競馬における券種ごとの控除率を下記の表でまとめたのでご確認ください。
券種 | 控除率 | 払い戻し率 |
単勝 | 20.0% | 80.0% |
複勝 | 20.0% | 80.0% |
枠連 | 22.5% | 77.5% |
馬連 | 22.5% | 77.5% |
ワイド | 22.5% | 77.5% |
馬単 | 25.0% | 75.0% |
三連複 | 25.0% | 75.0% |
三連単 | 27.5% | 72.5% |
WIN5 | 30.0% | 70.0% |
もともと的中率が高い券種は控除率が低く設定されており、反対に的中率が低いものの当たったときのリターンが大きい券種は控除率が高く設定されています。
また、地方競馬は各都道府県の自治体が独立して運営しているため、実は控除率は運営ごとに若干異なります。
例えば、地方競馬の代表的な競馬場である大井競馬場では、三連単の控除率は中央競馬と同じ27.5%ですが、北海道の門別競馬場では三連単の控除率が30.0%となっています。
運営ごとに異なるため、各競馬場の詳細については、各主催者の公式サイトで確認することをおすすめします。
オッズの計算式の例
控除率や支持率について説明しましたので、ここからは実際の例を使ってオッズの計算方法を見ていきましょう。
以下のように、あるレースの単勝馬券の売り上げを仮定します。
- 馬A 売上:3,000万円(支持率50%)
- 馬B 売上:1,800万円(支持率30%)
- 馬C 売上:800万円(支持率13.3%)
- 馬D 売上:350万円(支持率5.8%)
- 馬E 売上:50万円(支持率0.83%)
全ての馬のオッズを求めた計算式は下記の通りです。
単勝馬券の控除率=20.0%=単勝馬券の払い戻し率=80%
- 馬A 80(%)÷50(%)=オッズ1.6倍
- 馬B 80(%)÷30(%)=オッズ2.6倍
- 馬C 80(%)÷13.3(%)=オッズ6.0倍
- 馬D 80(%)÷5.8(%)=オッズ13.7倍
- 馬E 80(%)÷0.83(%)=オッズ96.3倍
支持率が低いほどオッズは高くなることが理解できました。
なお、計算で得られた小数第2位以下の数値はすべて切り捨てられます。四捨五入は行われず、その差額はすべて運営の売り上げとして扱われます。
投票が多いほどオッズは下がり、投票が少ないほど高くなる
オッズの計算式を見れば一目瞭然ですが、オッズは馬券購入全体の割合によって決定します。人気馬ほど配当が安くなり、穴馬のオッズが高くなる理由はここにあります。
なお、オッズは全体の投票数ではなく、投票金額の割合で決まる点を理解しておきましょう。
例えば、単勝総売上が100億円のレースで、ある人が全く人気のない馬の単勝を30億円分購入した場合、その馬は瞬く間に人気馬となるでしょう。このように、オッズは数ではなく資金の割合で決まることを覚えておいてください。
オッズは計算しなくても問題ない
オッズは上記の計算式を使えば求めることができますが、実際には馬券の総売上は随時変動するため、逐一調べるのは非常に非効率的です。
オッズはJRAの公式サイトや提携している競馬サイトで簡単に確認でき、これらのサイトでは5分刻みで最新のオッズが自動更新されるので、サイトでチェックする方が圧倒的に便利です。
また、オッズの計算式は覚えておかなくても問題ありません。仕組みが存在することを理解しておけば十分です。
競馬のオッズとは?:平均オッズを券種ごとに紹介
最後に、競馬のオッズの平均的な数値をご紹介します。レースによってオッズは当然変動しますが、各券種ごとの平均オッズを理解することで、配当妙味の高さを把握することができます。
2023年に中央競馬で行われた全レース(3,456レース)を対象に、各券種ごとの平均オッズをまとめましたので、参考にしてください。 なお、WIN5は年ごとにオッズが大きく変動するため、今回は割愛させていただきます。
券種 | 平均オッズ |
単勝 | 9.7倍 |
複勝 | 3.3倍 |
枠連 | 21.3倍 |
馬連 | 54.5倍 |
ワイド | 18.8倍 |
馬単 | 107.6倍 |
三連複 | 200.5倍 |
三連単 | 1,295.7倍 |
競馬のオッズとは?まとめ
今回は競馬のオッズについて詳しくまとめました。
競馬のオッズとは、的中した時の払い戻しの割合を数字で簡略化したものです。
かつては競馬場や場外馬券売り場のモニターでオッズを確認するのが一般的でしたが、現在はスマートフォンの普及により、大手競馬サイトで簡単にオッズをチェックできるようになりました。
また、この記事ではオッズの仕組みや計算例、オッズを求める上で欠かせない控除率、払い戻し率、支持率についても解説し、さらに2023年度の各券種ごとの平均配当もご紹介しています。
オッズに関する基本的な情報を網羅しましたので、ぜひ参考にしてください。
この記事が少しでも多くの方々のお役に立てることを願っております。